阪急文化財団ブログ

展示替作業

CkT0sjwVAAAOcd8

ちょっとお久しぶりのブログ更新になりました(>_<)

5日で展覧会が終了したため、今週は展示替のため休館しております。展示替というとよく聞くけど、どういうことをしているのかな?と思われるかもしれませんが、実はこんなことをしています、ということを少しご紹介します。

まず、展示替の前には記録写真を撮影しておきます。どんな展覧会だったのかを後から映像で補完するためです。

で、写真の様にまず前編で展示していた茶碗を片付けていきます。この時最も気を付けないといけないのは作品を間違えて直さないことです。当たり前なのですがとても大事なことです。

この時に展示している作品に異常が見られないかコンディションもチェックします!今回は焼き物なのでそこまで神経質にはならなくてもいいのですが、日本画や漆器などの場合はここでのチェックはとても大切です。

間違いなく箱に収めて片付けたら、次に出す展示作品を並べる作業です。前編と同じ数の茶碗を出しますが、並べ方が違うので展示台を右へ左へ移動して、位置調整をします。

下のツイートはこの辺りの作業をしている時のものですね(笑)

(うっ・・・展示替え作業で腰が・・・イタイデス)

— 阪急文化財団 (@Hankyu_Culture_) 2016年6月7日

並べたら、キャプションを貼ってもらわないといけないので、作品を間違えないように貼っていきます。

CkZ_--oWUAA2QXE

そして実際に業者さんにキャプションを貼付けていただきます。

CkfaSVoW0AEODoN

貼付けられるとやはり展覧会という雰囲気が高まりますね!写真の右下辺りにまだ設置されていない「碗ポイント」パネルがありますね(笑)

キャプションの貼付け位置によって微調整しないといけないので、この後設置して、茶碗の正面なども確認して出来上がりです!

ざっくりですが、展示替え作業はどういう風に進むのかをご紹介しました。

無事展示替え作業も終了したので、11日(土)の後編開館を待つばかりです!前編から総替えしていますので、1度見に来ていただいた方も是非お越し下さい。展覧会の内容はまたご紹介しますね。

 

(学芸員A)

茶碗トークShow作る人×売る人×使う人

茶碗トークShow 16-05-21-13-49-48-475_deco

昨日は「茶碗トークShow 作る人×売る人×使う人」を開催しました。

こういったトークショーは初めてだったのでどうなるのか少し心配していましたが、たくさんのお客様にもお越しいただき、漏れ聞こえてくる笑い声などからもなんとか上手くいったのかな、と思っています。

作る人である陶芸家の村田浩一郎先生には、ご自身の作陶についてや、陶芸の時に使う「土」の話などをお聞きしました。

印象的だったのは、轆轤(ろくろ)を回すときに余りにも手際よく形を作られるので、てっきりそれを全て焼き上げるのかと思ったら、渇かして削りだして釉掛けをして、その中で出来の良い物を取捨選択して焼かれるんだ、ということでした。つまり良い物だけが残されていくわけですね。

また、大自然の中にご自身の作品を置いて写真撮影をされることが多くあるそうなのですが、その時に「お茶碗は格の高いお道具なのですから座敷の上で」と言われることもあるそうです。ただ村田先生は茶碗は土から出来ているものだからこそ、自然の中においても輝く、そう考えられているそうです。

売る人、北川昭雲堂・北川正治氏には、少しぶっちゃけトークのようなものを行っていただき、お店で販売されているお茶碗の値段を仰った時には会場内から「おおー・・・」という声が聞えてきました。

茶箱の紐の結び方や、実際に茶碗が収められている箱の話なども実演を交えてご紹介いただきました。

司会者「それでこの茶碗はお値段の方は・・(お店で販売している某ご当代の茶碗です)」
売る人「この場で言っていいんですか?・・600万円です。」
聴衆「おー・・・ザワザワ( ; ゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )」#ぶっちゃけトーク中です#トークショー

— 阪急文化財団 (@Hankyu_Culture_) 2016年5月21日

使う人である三丘園茶店 宮川宇一氏には、知っているようで知らない「お茶」についてのお話しなどを伺いました。逸翁の提唱した大乗茶道は、様々な方にお茶を楽しんで頂くことです。

お抹茶は決して特別な場でだけの飲み物なのではなく、日頃からお抹茶を楽しんで欲しい、そんな逸翁の想いも合わせてご紹介いただきました。

3人の立場の違う方からそれぞれの特徴に合わせたお話しをお聞きすることができました。

村田浩一郎様、北川正治様、宮川宇一様、本当にありがとうございました。

(学芸員A)

館外展示のお知らせ<世田谷美術館>

世田谷美術館で開催中の「竹中工務店400年の夢 時をきざむ建築の文化史」展に、池田文庫所蔵の宝塚少女歌劇ポスターが出品されています。

竹中工務店によって初代・宝塚大劇場が建設されたのは1924(大正13)年のことですが、その当時のポスターが3点出ています。可愛らしい女の子の絵が描かれたポスターが2点、もう1点は字だけの珍しいものです。「民衆娯楽の理想郷」といった、当時のキャッチフレーズも見られます。

 世田谷美術館では、昨年の「東宝スタジオ展 映画=創造の現場」に引き続き、「企業と文化・芸術」に注目された展覧会を続けて開催されています。今後も目が離せません。

 「竹中工務店400年の夢」展は2016年6月19日まで。ぜひ足をお運びください。

 

(学芸員Y)

友の会限定特別講座のお知らせ

阪急文化財団友の会では、会員の皆様を対象に、特別講座を開講しています。芸術がより身近なものとなるよう、学芸員の目線からさまざまなお話をさせていただきます。本年度は以下のとおりの予定です。

 

6月4日(土) わかる日本画 説話画 (1)
7月29日(金) わかる日本画 説話画 (2)
下半期予定   歌舞伎をたのしむ(1)
下半期予定   歌舞伎をたのしむ(2)

基本的に一話完結ですので、どれか一つでも大丈夫です。会員ではないけど聴いてみたいという方、この機会にぜひ入会をご検討ください。他にもさまざまな特典をご用意しております。


→詳しくは阪急文化財団友の会

(学芸員Y)

館外展示のお知らせ〈吹田市立博物館〉

大阪・吹田市立博物館で開催中の「“田園都市”千里山 ~大正時代の理想郷~」展に、池田文庫所蔵の阪急開業当時のポスター(レプリカ)が出品されています。

阪急電鉄が開業したのは1910(明治43)年のことですが、このポスターには実現に至らなかった有馬や野江への路線も描かれています。実はNHKドラマ「経世済民の男 小林一三」でも同じポスターのレプリカが使われました。

 この展覧会では、千里山だけでなく、池田、箕面、豊中の史料も出ています。明治末からはじまる北摂の郊外住宅開発と、その背景にある日本版田園市都市思想を紹介する興味深い展覧会でした。

 「“田園都市”千里山」展は2016年6月5日まで。ぜひ足をお運びください。

 

(学芸員Y)