阪急文化財団ブログ

宝くじの日 ―歴史を見つめた籤棒のお話―

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9月2日は「宝くじの日」とのこと。宝くじではありませんが、ちょっと「籤」にまつわるお話しを。 当財団で所蔵している重要文化財「佐竹本三十六歌仙切 藤原高光」は、もともとは1つの巻物の形になっていました。三十六人の歌仙それぞれを描いた歌仙絵に、描かれた人物の略歴と和歌が一首添えられていました。 秋田の佐竹家から売りに出されたため「佐竹本」とも呼ばれたこの絵巻は、三十六歌仙絵巻の中では最も古いものと言われており、そのため売りに出された時はあまりに高価すぎたため、何人もの古美術商が共同で競り落としました。 この絵巻をその後に購入したのは、「虎大臣」との異名もとった山本唯三郎なのですが、彼もまた数年後に手放すことになります。しかし、あまりにも高価すぎて1人の収集家ではもはや購入することができない状況になっていました。 そこで考えられたのが絵巻を切断することです。今では文化財を切断するなど信じられないような暴挙と言われても仕方がありませんし、当時でも物議を醸したようですが、海外に流出してしまうよりはと、歌仙1人ずつ切断されました。大正8年(1919)12月20日、住吉大社を描いた図も含めて、全部で37分割されたのです。 この37図はそれぞれ籤によって購入者を決めることになりました。この時に使われたのが写真の籤棒です。 人気が高かったのはやはり、姫君たちであり、その次に公卿、僧侶はあまり人気がありませんでした。籤の結果、当時の大数寄者の1人でもあり、この切断にも大きくかかわった益田鈍翁が引き当てたのは僧侶の絵だったと言われています。(源順だったという説もあります) 鈍翁は一番人気の「斎宮女御」が欲しかったので不機嫌になってしまったのですが、そこは「斎宮女御」を引き当てた人が気を利かせて交換することで鈍翁の機嫌も治ったそうです。 そんな歴史の証人でもあるこの「籤棒」。籤で一喜一憂する大人たちをどの様な思いで見つめたのでしょうか。 ちなみに、この時、小林一三は籤には参加していません。当時参加していた古美術商から後になって購入しました。 (学芸員A)

2016年度友の会観劇会Ver.2【永楽館歌舞伎ツアー】11月9日(水)

永楽館外観

阪急文化財団友の会では、年2回の観劇会を開催していますが、今回だけは特別バージョンです。
バスで少々遠方へご案内。その行き先は・・・「永楽館歌舞伎」です!

永楽館は、兵庫県豊岡市出石町にある近畿最古の芝居小屋で、平成の大改修により、復活したのが平成20年(2008)。
そのこけら落公演から毎年、片岡愛之助丈が歌舞伎公演を担っておられます。
中村壱太郎丈、上村吉弥丈とともに大奮闘の公演は、数えること第9回。

実は、昨年の友の会旅行でこの永楽館を訪ね、上演されていない舞台裏を見学しました。
そこで、観劇会では、芝居小屋の本来の目的、表舞台を観る!
昨年見せていただいた舞台機構の効果を実感できる機会です。

「第九回永楽館歌舞伎」の詳細はこちら・・・

上方歌舞伎を継承される方々の大活躍をお見逃しなく!

11月9日(水)は、少々早起きをしていただき、朝7:30に池田集合。バスで出石永楽館へ。
お昼は「永楽館歌舞伎弁当」をご賞味いただきます。

定員に限りがありますので若干名ではありますが、友の会会員以外の方にもご参加いただけます!

永楽館歌舞伎観劇会の詳細は、こちらのPDFファイルからご確認ください。

参加ご希望の方は、070-6681-5187 までお電話ください。
※締切は9月30日(金)です。但し、定員になり次第、受付を終了させていただきます。

この旅のナビゲーターは当財団の学芸員です。皆さまのご参加をお待ちしております。

(観劇会担当)

秋季展「近現代絵画サロン 情熱と想像のコンチェルト」

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さて今日は、9月10日(土)から開催予定の「近現代絵画サロン 情熱と想像のコンチェルト」というタイトルの秋季展についてご案内します。 この展覧会、まずポスタービジュアルがいつもの逸翁美術館とはひと味違うと思いませんか?絵画の配置といい配色といい、そして何よりタイトルも! タイトルの「コンチェルト」とは、協奏曲という意味で、この展覧会に出品する35人の画家たちの個性が奏でる様々な音色のことをいいます。 35人の画家のうち一部を紹介しますと、 ジェルジュ・ルオー、モーリス・ド・ヴラマンク、パブロ・ピカソ、アンドレ・ロート、モイズ・キスリング、熊谷守一、長谷川潔、荻須高徳、田村孝之介、小磯良平、三岸節子、有元利夫、織田廣喜、池田満寿夫・・・etc. といった有名な画家の方々の作品を、逸翁美術館で初公開します。 また講演会は、 11月23日(水・祝)午後2時より、「小磯良平と同時代の画家たち―フランス絵画への憧れ」と題して、神戸市立小磯記念美術館キュレーターの廣田生馬氏にご講演いただきます。どんなお話しが聞けるのか楽しみですよね! ギャラリートークは10月8日(土)と29日(土)の何れも午後2時より展示室で開催します。 普段とはちょっと(大分?)違った展覧会、どんな展示になるのか、どうぞ御期待ください! (学芸員A)

阪急阪神ゆめ・まちチャレンジ隊2016

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21日(日)に「阪急阪神ゆめ・まちチャレンジ隊2016」のうち「茶の湯を通じて伝統文化に親しもう!」を実施しました。

暑くてとても厳しい1日でしたが、参加頂いた26人のお子様と、その保護者の皆様、お疲れさまでした!

アンケートも読ませていただきましたが、自分なりに茶の湯に触れていただき、とてもいい経験として頂いていることがよくわかりました。日常ではなかなかお抹茶を点(た)てるということを経験することは難しいかもしれませんが、この経験を忘れず今後生かしていただければ嬉しいです。

このプログラムではどの様なことを経験して頂くかといいますと、まず蹲踞(つくばい)での作法を教わります。

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そして、躙り口(にじりぐち)から茶室の中に入ったら、お床の前で、掛軸(かけじく)などのお道具類を拝見します。

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拝見が終ると、中で先生のお話をお聞きしたり、手本となるお点前(てまえ)をまず見て、それからお子さんには自分でお抹茶を点ててもらう体験です。

また、最後には一緒に来てくださっている保護者の方にお抹茶を点てて差上げます。自分で点てたお抹茶を保護者の方に飲んで頂く機会はあまりないことでしょうから、「美味しい」の一言、とても嬉しかったのではないでしょうか。

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最後に参加したお子様で記念撮影。これはいいお天気でしたので、「雅俗山荘」を背景にぱちり。みなさん、とてもいいお顔されていますね。

記念品に当館のオリジナル懐紙(かいし)をプレゼント。またいつの日かその懐紙を使ってお抹茶を楽しんでくださいね。

 

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私が子供の頃にこういったチャレンジ隊のようなイベントがあったら是非参加してみたいと思えるイベントがいっぱいでとても羨ましいです。ご参加いただき、ありがとうございました。

 

(学芸員A)

鉄道模型フェスティバル2016

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昨日から阪急百貨店の9階阪急うめだギャラリーで開催されている「鉄道模型フェスティバル2016」に早速行ってきました!

あいにく私は鉄道方面の専門ではないので、ジオラマを走り抜けている列車を見ても、「お、◯◯◯◯系!」とかは言えないのですが、素人は素人なりに楽しんできましたー。

中にはたくさんの鉄道ファン、鉄道模型ファンの方や、小さいお子様などで賑わっていました。

当財団からもちょっとだけ資料を提出させていただいております。フェイスタオルの柄になっているポスターとかなのですが、パネルとしても掲出されていましたので会場で探してみてください!

この鉄道模型フェスティバル2016は15日(月)までとなっています。お早めにご覧ください。

 

今なら祝祭広場で「シン・ゴジラ」の姿も見れますよ!

 

(学芸員A)

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