\逸翁美術館開館60周年記念展スケジュール公開/






逸翁美術館は小林一三が亡くなった1957年10月3日に開館し、今年で60周年を迎えます。
その60周年を迎えることを記念して、来年度は「逸翁美術館 開館60周年記念展」として、6つの展覧会を開催します。
所蔵している重要文化財や重要美術品を6つの展覧会に分けて展示します。どの展覧会も見逃せない展示ばかりですよ!
細かいイベントなどは決定しだいそれぞれお知らせするとして、今回は展覧会スケジュールをお知らせします!
第一幕 THE 書 ~数寄者が集めた古筆、お見せします~
会期 2017年4月8日(土)~5月28日(日)
流麗な筆致、工夫を凝らした料紙、古人の遺した美しい書の数々は、書の愛好者のみならず茶の湯の世界でも愛好されてきました。数寄者をも魅了した書の作品をご覧ください。



第二幕 開け!絵巻
会期 2017年6月10日(土)~7月30日(日)
説話や物語の場面場面を、絵画にも表す絵巻。見進めるにつれ、作品の世界に知らず知らずの内に入り込んでしまいます。細やかに描かれた人物・場景・季節などが次から次へと現れ、私たちの眼を楽しませます。
この展示では、重要文化財に指定された経巻も併せて陳列し、巻物形式の作品の淵源を示すこととします。


第三幕 茶の湯道具始 -ようこそ収集家の世界へ!-
会期 2017年8月26日(土)~10月15日(日)
小林一三(逸翁)が収集した作品の中には、数多くの茶道具があります。茶の湯を愛した逸翁は、集めた様々な道具を用いて茶会を開き、多くの数寄者と交流しました。
その逸翁が集めた茶道具の中から道具始(どうぐはじめ)として、茶の湯の流れと道具をご紹介します。収集家(コレクター)の世界をご堪能ください。



第四幕 ひねもす蕪村 絵と俳句
会期 2017年10月28日(土)~12月17日(日)
松尾芭蕉を慕った与謝蕪村、そして蕪村を敬った呉春。俳句や絵画を通じて感興を深め合った彼らの交遊を、数々の作品から探訪します。さらに、多くの門人たちによって表される情趣のヴァリエーションからは、蕪村世界の広がりが感じられます。
句は画のごとく画は句のごとく、香り高い近世の俳人・画人たちの心の動きに触れてみてください。


第五幕 応挙は雪松、呉春は白梅
会期 2018年1月20日(土)~3月11日(日)
円山四条派コレクションとしては日本最大規模を誇る蔵品の中より、応挙の創始した円山派と呉春の創始した四条派、ともすれば1つとして語られがちな2つの流派。
それぞれ代表作を展示することにより同時代を駆け抜けた画家たちが織りなす華やかな京都画壇の魅力を紹介します。


One more 未来につなぐ 和の意匠(デザイン)力
会期 2018年3月24日(土)~5月6日(日)
縄文・弥生、はるか昔に作られた物の姿や図柄に、現代の私たちもまた新鮮な印象を覚えます。それぞれの時代の日本人が生み出した文様や意匠は、歴史の中で繰り返し用いられ、様々な美術工芸品の上に形を変えて親しまれてきました。
本展では「平明」「遊楽」「静寂」の3つのテーマで作品を選び、未来につなぐ和の意匠(デザイン)力を示してみたいと思います。


逸翁白梅茶会を終えて


昨日、無事に今年の「逸翁白梅茶会」を終えました。
ここのところ強い寒気が日本列島に流れ込んできているとのことで、かなりの寒さが予想されていて、前日までに通常よりもキャンセルのお電話が多くありました。
中には道路の凍結や雪によって、交通事情が難しいという方もいらっしゃり、そんな遠方からご来館いただける予定だったことにうれしさを感じましたが、天気ばかりはままならず残念です。また来年のご参加をお待ちしたいと思います。
雪が積もっていたら凍結が心配だったのですが、幸いにも前週のように雪が積もるところまではいかず、なんとか無事に開催できました。


今年は酉年。一三翁は生まれも亡くなった年も酉年です。お道具組は実際に一三翁が酉年に初釜で開催されたお道具組をほぼ再現いたしました。
写真にありますように床の掛け軸は松花堂昭乗の「鶏図」、香合は古染付の鵯香合でした。取合の古伊賀の花入に今回佐藤先生が生けてくださったのは、椿と梅です。
厳しい寒さの中、大勢の方にご参加いただきまして、本当にありがとうございました。
(学芸員A)
『阪急文化研究年報』5号を発行しました

これは2015年度に開催した展覧会やイベントの報告と、
学芸員の調査研究活動の成果を発表するものです。
収録内容は次の通りです。
■論文
宮井肖佳/小林一三の目指した文化ネットワークとその意義(四)-小林一三の愛した更紗 コレクションの形成-
竹田梨紗/「芦葉会記」に関する一考察(一)-昭和十六年から二十年まで-
正木喜勝/草創期宝塚少女歌劇上演目録補遺
■資料紹介
仙海義之 連載(一)「十巻抄」一〇巻(重要文化財)第一巻・第二巻
■平成27年度年度事業報告
本誌は池田文庫でご覧いただけます。
また一部の大学・公共図書館でもお読みいただけますが、
所蔵館や配架状況については各館の蔵書検索等でご確認ください。
(学芸員Y)
「べっぴんさん」と阪急百貨店
現在も大好評放送中の、連続テレビ小説「べっぴんさん」。ファミリアを創業した4人の女性のうち、坂野惇子さんをヒロインにしたドラマです。
ツイッターの方でも「べっぴんさん」について色々とつぶやいているのですが、このドラマでは阪急百貨店をモデルにした「大急百貨店」と、当時の社長清水雅氏をモデルにした、伊武雅刀さん演じる「大島社長」が登場します。
いよいよ今週の「べっぴんさん」で、「大急百貨店」が登場しましたね!坂東営業部で見ていたカードに印刷されていた建物は、実際に当時の阪急百貨店の写真を使っているようにも見えました。これから社長や担当者の人とどんな話をして、百貨店で取り扱うことになるのか楽しみですね(*´ω`*)
— 阪急文化財団【公式】 (@Hankyu_Culture_) 2016年11月28日
清水雅氏は、一三翁の秘書とし外遊にも随行するなどした人物で、一三翁より様々な薫陶を受けたことでも知られています。
中でも印象的なエピソードは外遊から戻ってくる航海中の船上において、一三翁は食べたカレーの味に感動し、その作り方を習ってくるように求めます。暑いインド洋の船上で、キッチンに押しかけてそのおいしい作り方などを探ったと言われています。
おいしいと評判だった阪急百貨店大食堂のカレーライスには、こういった清水氏の苦労や努力なども生かされています。
そんな社長とのかかわりがドラマで描かれるとのことで毎朝楽しみにみているのですが、嫌味な担当さんがいたり、周囲の売り場の人たちもどこか冷ややかだったりと、初めての大きな商いに戸惑いを隠せない主人公達ですが、徐々に商売人としての自覚が出てきているようですよね。
ファミリアさんの東京出店エピソードとかも描かれますよね、きっと。(東京出店ならば、数寄屋橋阪急の話が出てくるはず)
去年放送されたドラマ「経世済民の男 小林一三」で阪急百貨店外観として使われていた建物が大急百貨店として登場していてそういった繋がりも楽しいです。
今後、大島社長はじめ、大急百貨店とどのような関わりが描かれるのかも含めて楽しみです!
(学芸員A)