阪急文化財団ブログ

池田文庫の本棚放浪記【第3回】~宝塚歌劇海外公演(1)~

今秋、宝塚歌劇星組の台湾公演が行われます。梅田芸術劇場を皮切りに、最終的に台湾に持っていく作品の上演も始まっています。そのことにちなみ、今回は宝塚歌劇の海外公演資料についてご紹介したいと思います。

池田文庫で所蔵する宝塚歌劇海外公演関連の資料として、おおまかに次のものがあります。

(1) ポスター

(2) パンフレット

(3) 記念アルバム

そのほかにも、『歌劇』など雑誌類で、当時の関連記事を読むことができますし、海外公演に参加した演者やスタッフが、自身の著作物でそのことに触れている場合もあります。また、池田文庫では関連の新聞記事を切り抜いてスクラップブックを作成してきました。該当年代のものを調べると、その中に関連記事が含まれているかもしれません。スクラップブックはマイクロフィルム化したものを閲覧できます。

 

(1) ポスター

阪急文化アーカイブズで「海外公演」で検索すると、所蔵する海外公演ポスターを見ることができます。ぜひお試しを。

 

(2)パンフレット

現地の観客向けに製作されたパンフレットです。一番の特徴は、やはりその土地の言語で宝塚歌劇について説明されていること。外国語ではそうなるのかと意外性もあって、なかなか面白いです。

「凡爾賽玫瑰 -菲爾遜與瑪麗安托瓦内特篇-」

なんの演目だかわかりますか? (ヒント:2015年台湾で上演された演目)

 

上は、 初の海外公演の際に製作されたパンフレットです。

1938(昭和13)年から翌年にかけて、ドイツ・ポーランド・イタリアの各都市をまわりました。そのため、ドイツ語とイタリア語で書かれています。

表紙は富士山に桜。お約束ですね。掲載されている写真も、ほぼすべて和装姿。いかにも「日本」なイメージでアピールしています。実際にかかった演目もすべて日本物でした。当時、西洋文化圏の人を惹きつけるには、異文化の香りを持ち込むことが一番と考えられたのでしょう。

比べて近年のものは、ことさら日本的なイメージを主張するものではなくなってきました。むしろ、現地でお馴染みの物語を演目に取り入れる試みも行われています。

今度の台湾公演の『Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀』も、そもそもは台湾の有名な人形演劇から来ているとか。現地の文化と宝塚歌劇の融合が、台湾の人にどう受け止められるのか気になりますね。

 

池田文庫は全ての海外公演のパンフレットを所蔵しているわけではありません。もし、どの海外公演のパンフレットを所蔵しているか知りたい場合は、蔵書検索サービスで調べてみてください。

宝塚歌劇海外公演」で検索すると、逐次刊行物の検索結果に「宝塚歌劇  海外公演」という親タイトルが出てきます。

 

 

これをクリックすると、下の表示に ↓


 

各公演パンフレットは「宝塚歌劇 海外公演」という親タイトルにぶらさがっている目録構成です。

一部の資料には、閲覧にご予約・ご紹介状が必要な場合もありますので、ご注意くださいね。目録に「要紹介状」と記載されているものがそうです。

 

(3)記念アルバム については、次回ご紹介します。

 

(司書H)

 

図録新発売♪

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ただいま開催中の五島美術館さんとのコラボ展では、

図録『東西数寄者の審美眼 阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション』を絶賛販売中です。

この図録は展覧会に出品するすべての作品を掲載しています。

展覧会は途中展示替えを挟みますので、展示替えであいにくみていただけなかった作品や、お気に入りの作品ができた場合は、こちらを1冊手に取っていただきますと、今回の展示のすべてがここにあります。

論考としては、講演会もお願いしております、齋藤康彦先生の「小林一三と五島慶太の茶の湯の交流」をはじめ、それぞれのコレクションの特色を述べた各論・資料なども収載しています。

盛りだくさんな内容になっておりますので、ぜひお手にとって頂き、そして保存版としてお家の蔵書に加えてくださいね。

 

(学芸員A)

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池田文庫の本棚放浪記【第2回】~雑誌『歌劇』編(2)~

前回に続き、創刊100周年を迎える宝塚歌劇団の機関誌『歌劇』のお話の続きです。

最新の8月号も発売されましたね。

表紙は轟悠さん、100周年記念特集が組まれているようですよ。

 

さて、1000冊を超えるボリュームで、まさに宝塚歌劇の歴史の重みを体現する雑誌『歌劇』。

収録されている記事は、数万件にもなります。

 

「読んでみたい! でも、自分の読みたい記事が、何年何月号載っているのか分からない...」

そう思われる方も多いかと思います。

 

こんな場合にどうするか?

 

とても便利なツールがあります。 →→ 池田文庫蔵書検索サービス

 

蔵書検索サービスでは図書や雑誌の目録の他に雑誌記事の索引が収録されています。

調べたい事柄に関するキーワードで検索すれば、タイトル・著者などにそのキーワードを含んでいるものが、ズラっと出てきます。

 

「詳しく探す」or「資料検索」をクリックすると、より細かな検索ができる画面に。

 

 

発行年で絞り込んでいくことも可能です。

 

 

『歌劇』の記事索引もバッチリ入っていますよ。

 

気になる記事をみつけたら、ぜひ池田文庫へ読みに来て下さいね。

 

 

(司書H)

池田文庫の本棚放浪記【第1回】~雑誌『歌劇』編(1)~

池田文庫ってどんな図書館?どんなものがあるの?そんな疑問にお答えすべく、池田文庫ならではの蔵書を、司書がご紹介するコラムをスタートします。

第1回は宝塚歌劇団の機関誌『歌劇』について。池田文庫で最も利用される資料の一つです。

雑誌『歌劇』は大正7 (1918) 年8月に生まれました。この年は宝塚少女歌劇が初めて東京公演を行った年でもありました。

その後、戦時中に休止していた期間があるものの、この8月で丸100年!もうすぐ発売する8月号で1115号です。

公演情報はもちろん、生徒さんたちのインタビューやグラビア、演出家等スタッフの方々の記事、読者投稿欄にいたるまで、宝塚歌劇の情報がたくさんつまっています。

それが100年分!この量です!                                             
  全国の図書館でも創刊号から現在まで全て揃っているのは、池田文庫だけです。 宝塚歌劇団が節目に発行してきた年史には載っていないような細かな情報も、『歌劇』になら載っているかもしれませんよ。 (司書H)

逸翁白梅茶会を終えて

もう終わって1週間も経つのか...と改めて過ぎゆく時の早さにびっくりしますが、先週1月25日(木)に恒例の「逸翁白梅茶会」を開催し、無事に終えることができました。

史上最強の寒波到来ということで、朝の6時半に池田駅に着いたときには温度計が示していた温度はなんと「マイナス4度」。寒いというより痛いという感じでした。

当日の床飾りはこの様に...

戌年にちなみ掛物は長沢芦雪の「降雪狗児図」です。黒く塗られた背景に可愛らしい2頭の子犬が描かれています。明暗や白黒の対比を意識的に取入れた描き方で、当時流行していた初期洋風画の影響も見て取れる軸です。

花入はフランスのセーヴル焼です。紅白の椿や白菊を生けていただきました。香合は香炉にも使われていた染付の籠絵七宝透です。

香炉として実際に使われていたことがあるようで、透の部分にその形跡が見受けられます。

 

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今年の会記です。

2018茶会記表 2018茶会記中

 

 

木津宗匠のリクエストで緑色の和紙にしてみました。とにかく寒さが厳しい1日になりましたが、大勢の方にご参加いただき、ありがとうございました。

また来年1月25日にも開催いたします。今年ご参加できなかった方、どうぞご参加ください。申し込み開始日は今のところ11月の初めを予定しておりますが、また近くなったらご案内しますね。

 

(学芸員A)