阪急文化財団ブログ

平成28年逸翁白梅茶会の申込みを開始しました

平成28年の逸翁白梅茶会の申込みが10月1日より始まっております。
この「逸翁白梅茶会」は、小林一三(逸翁)の命日である1月25日に毎年開催する追慕茶会です。
何があってもこの日に茶会を行いますので、
来年1月25日は月曜日で本来ですと休館日ですが特別に開館します!
(翌26日を休館します)

逸翁が生涯かけて集めた茶道具の中より選び出して行う茶会で、
本来ですとガラスケースの中でご覧いただくものを身近でご覧いただき、
かつご使用いただく大チャンスです。

お茶会って難しそうだし、お茶の心得なんてないし・・
そう思って悩まれていらっしゃるならば、どうぞご心配なくお申し込み下さい。

逸翁白梅茶会は気軽にお茶を楽しんでいただくことを提唱した逸翁のモットーの通り、
気軽なお気持ちで参加いただければと思います。

三千家の先生方に毎年持ち回りでご担当いただいておりますが、
来年は表千家生形朝宗庵社中にご担当いただきます。
生形先生は、逸翁の茶道の師であった生形貴一宗匠のお孫さんに当たられ、
逸翁とも非常に縁の深い先生です。

詳しい申込み要項はこちらの「逸翁白梅茶会」のページをご確認くださいませ。

皆さまのお申し込みをお待ちしております♪

(学芸員A)

NHKドラマ「経世済民の男 小林一三」のトリビア 第6弾

松永安左エ門翁篇も先だって26日に放送が終りましたね。
この「経世済民の男」シリーズもこれで終わりなのかと思うと、少し切なくなります。

「電力の鬼」と呼ばれた松永安左エ門翁は、
先の二名とは違って、ある年代だけを切り取ったドラマになっていましたね。
個人的には、生涯をダイジェストで追うのも、
この様に切り取って採り上げるのもどちらも良いところ、難しいところがあるなぁと思いましたが、
安左エ門翁の電気事業に対する強い思いは表現されていましたね。
どの回もこの放映回数では物足りない!そう感じられたのではないでしょうか。

ドラマの中で、お茶を楽しむシーンや、茶碗を購入しようとして奥さんに止められていたシーンがありました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、この安左エ門翁と一三翁は茶友で、
それも親友と言っていいくらい仲良くしていました。

若い頃には、実は一緒に牢屋に放り込まれたこともあるってご存じでしたか?
この時、一三翁は飄々としていたのですが、それをみた安左エ門翁が驚いたということが自叙伝などに書かれています。
元々、安左エ門翁はお茶に興味がなかったんです。
お茶に没頭する一三翁を呆れて見ていた安左エ門翁ですが、後には茶道に没頭するようになり、
茶人垂涎の的であった「佐竹本三十六歌仙切」を手に入れた際には、
その事を知った一三翁が「いっぱしの茶人になった」と述べたことなどもありました。

ドラマでは一切交流が描かれなかったのが少し残念でしたね。
なかなか難しいかもしれませんが。

この絵は安左エ門翁に一三翁がお土産にもらったものです。
アマン=ジャンの「少女像」です。
E-57


また一三翁が亡くなった時に安左エ門翁からコウ夫人に届いた追悼の漢詩はこちらです。

A0640

どちらも二人の交流を物語る作品です。

後、もう一つ、ドラマの中で安左エ門翁がその他の委員達とお茶を飲んでいたシーンなどで使われていた建物は、
三重県の桑名にある「六華苑」という建物なのですが、
この六華苑は諸戸清六氏という方の旧邸で、和洋折衷のとても素敵な建物です。

初代の諸戸清六氏と一三翁は若い時代に実は交流があります。
三井銀行の大阪支店に勤務中に、諸戸清六氏と出会った若い一三翁に、
諸戸氏は勤務振りを誉め、袂から桑名名産の蛤のしぐれ煮を下さったそうです。
安左エ門翁と二代諸戸清六氏は茶友でもありましたから、
この六華苑でドラマ撮影が行われたことで、
時空を超えた交流があったことになりますね。

安左エ門翁との交流は、2年前に展覧会でもご紹介しました。
茶の湯交友録 小林一三と松永安左エ門-逸翁と耳庵の名品コレクションという図録でご紹介しています。
よろしければご覧ください♪

(学芸員A)

NHKドラマ「経世済民の男 小林一三」のトリビア 第5弾

小林一三ドラマ・トリビア第5弾です。
そろそろドラマの熱気も冷めてきたところ...ではありません!
まだまだ熱いです。

交友を結んでいた「松永安左エ門編」も放送されましたし、
26日には「小林一三」後編の再放送もありますしね。

さて、その後編からまたまたトリビアを。
いよいよ箕面有馬電気軌道が営業を始め、
社内や車内の様子が画面に何度も登場しました。

その背景を彩っていたポスターの数々、ご覧いただきましたか?

リアルだなぁと思われたアナタ。
それもそのはず、池田文庫所蔵の実物ポスターをもとに、
原形をうまーく残したまま、アレンジされているのです。
たとえばこれ。

shokudo

「阪急食堂」のポスターですが、これをアレンジしたものが、
あるシーンで使われていました。お気づきになりましたか?

他にも、宝塚少女歌劇の公演ポスターや
沿線案内のポスターが随所に使われていました。


池田文庫は、大正時代から現在にいたるまでの各種ポスターを
約 18,000 点所蔵しています。
それらの画像は館内の専用パソコンでご覧いただけます。

電車に関するものはもちろん、宝塚歌劇、ファミリーランド、
阪急ブレーブス、西宮球場での各種イベント、住宅・不動産、
沿線行楽などなど、100年分の歴史をお楽しみいただけます。

お立ち寄りの際は、チラッと「ポスター検索システム」を
のぞいてみてくださいね。

(学芸員Y)

NHKドラマ「経世済民の男 小林一三」のトリビア 第4弾

小林一三ドラマ・トリビア第4弾です。今回は後編からご紹介。
上司の岩下清周さんと一三さんの関係に、胸が熱くなった方もいらっしゃると思います。

神戸線開通に奔走する一三さんの心の内を代弁するものとして、
『歌劇十曲』という本が登場したのを覚えていらっしゃいますか?

一三さんを「おやっさん」と呼んでいた丸山さんが、
一三さんの妻コウさんに手渡した、あの本です。

これは実在の本で、一三さんが書いた宝塚少女歌劇の脚本集なのですが、
その序文として「此書を岩下清周翁に献ず」が掲載されているのです。
(版によって掲載されていないものもあります)

もちろんこれも池田文庫の蔵書にあります。気になる方はぜひお越しください!

......と普通なら宣伝で終わるところをですね、現代はデジタル社会ですから、
国会図書館も大変素晴らしい仕事をされていまして、
何とこちらから自由にご覧いただくことができます!

 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

国立国会図書館デジタルコレクション


ドラマ自体が一つの完成した作品ではありますが、
ドラマを通じて「小林一三」のいろいろを知っていただくのも、
私たちにとっては嬉しいことです。

(学芸員Y)

ドラマを見終えて・・

怒濤のブログ更新になっていますね。
それもこれもドラマ「経世済民の男 小林一三」のおかげなのですが、
皆さんは、昨日放送の後編もご覧いただけましたでしょうか?

私は少なくとも3回は泣いてしまったのですが、
皆さんはいかがでしたでしょうか。
どちらかというと前編が、成功するまでの、
色々とダメな部分を面白く描いていただけに、
後編のシリアスな展開がより輝きましたよね。

個人的にグッときたポイントを書きますと、
1)宝塚大劇場で「モン・パリ」を見ながら久しぶりに岩下清周と再会し、
阪神との合併を持ちかけられた時のセリフです。
岩下さんの涙に、私も堪えきれませんでした。

実はこのシーンは、NHKホールで公開収録されていたシーンだったので、
私も現地で見学していました。
現役タカラジェンヌさんたちによる再現に見とれていた間に、
あんな感動的なシーンが撮影されていたなんて。

2)なんといっても長男冨佐雄さんとの病床でのシーンですね。
「約束」の話や、「自分も働きたいです」のやり取りに、
涙が溢れました。

皆さんの感動ポイントはどこでしたか?


見所シーンたくさんの小林一三ドラマは残念ながら終ってしまいましたが、
その生涯かけて集めた美術品が観られる展覧会「小林一三ワールド 逸翁の審美眼」は、
9月27日(日)まで開催しています。
是非ご来館ください♪

また、最後ドラマで東宝の忘年会でスピーチをしていましたが、
その東宝に関係する展示「小林一三ワールド 夢ひらく東宝」も、
小林一三の生涯や実際のロケ現場にもなった小林一三記念館でも、
「小林一三と野球」展を9月27日(日)まで開催しています。

三館合わせてご覧くださいませ。

(学芸員A)