施設紹介(登録有形文化財)

雅俗山荘

昭和12(1937)年1月、池田市五月山の麓に完成した小林一三の旧邸です。
芸術と生活とを一体に楽しむ思いを込め「雅俗山荘」と名付けられました。
施工は竹中工務店、設計は同社設計部の小林利助です。
鉄筋コンクリート造2階建ての洋館ですが、屋根を日本風のいぶし銀の瓦で葺くなど、和洋を巧みに折衷した人間味あふれる小林一三の息吹が感じられます。

写真:雅俗山荘

即庵(そくあん)

昭和12年雅俗山荘竣工時に作られた三畳台目に土間を二方に廻らせた椅子席の茶室です。
小林一三の考案で10席の椅子席からは畳上と同じ視点で喫茶、拝見ができるよう工夫されています。
和洋が見事に融合した昭和の名席といわれています。入母屋造りの庇の扁額は畠山一清筆。

写真:即庵

費隠(ひいん)

昭和19年京都の寺院より移築されたと伝えられる二畳の茶室です。壁の腰張りには、郷民の連判状と思われる古文書が用いられています。また、花頭窓、床窓、風炉先窓など窓の多い茶室です。命名、扁額は、小林一三が商工大臣を務めた時の内閣総理大臣、近衛文麿筆。

写真:費隠

長屋門

能勢町にあった庄屋から移築したと伝えます。「雅俗山荘」の門札を掲げ、門柱・門扉・潜戸の飾り金物(乳金具、花菱の釘隠し、八双金具等)に至るまで当時のままの重厚さに、歴史の流れが感じられます。

写真:長屋門

「雅俗山荘」と同じスペイン瓦を載せた、厚さ20cmの鉄筋コンクリート塀です。外壁と同一仕上げとするなど、本館とのデザインの統一を図っています。

※登録有形文化財登録順