阪急文化財団ブログ

池田文庫の本棚放浪記【第33回】池田文庫の独自分類 ~宝塚歌劇編 最終回・脚本、楽譜、原作漫画など~

 池田文庫の宝塚歌劇関連の「図書」に属する資料群を池田文庫独自の分類をご紹介するシリーズ、今回で最終回です。

 毎回ですが、おさらいから。池田文庫では、宝塚歌劇関連の「図書」に属する資料群を次のように分けています。(詳しくは第28回をご覧下さい。)

775-T/A          年史  (→第29回)

775-T/C          写真集  (→第31回)

775-T/D          脚本をまとめた本

775-T/E          主題歌などをまとめた楽譜本

775-T/F          単行本

775-T/G          原作漫画

 今回は3つめのグループ以降を一気にご紹介です。

 

脚本をまとめた本 (775-T/D)

 古くから、宝塚歌劇は公演ごとに脚本を掲載した冊子を発行してきました。現在も、宝塚大劇場の本公演の脚本を、公演写真集『Le Cinq(ル・サンク)』に載せています。池田文庫ではこれらを「逐次刊行物」として整理しています。

一方で、作家ごと、時代ごとにまとめた作品集などが刊行されることがありました。そうしたものは、「図書」の脚本グループに収めています。

そのなかにはこんな本も。

 こちらは阪急創業者・小林一三の作品集。宝塚少女歌劇のために、みずから作品を書きおろすこともあったんです。作品をまとめた本も、2冊出版されています。

 

■主題歌などをまとめた楽譜本 (775-T/E)

 2000年代後半まで、公演ごとに主題歌集が発行されていました。池田文庫では、それらを「逐次刊行物」として整理しています。ただし、さまざまな公演の曲をまとめた楽譜集が出されることもあります。そうした書籍は、「図書」の楽譜本グループに収めています。

 

単行本 (775-T/F)

 こちらのグループに属するのは、宝塚歌劇の魅力を紹介する本、宝塚歌劇団に在籍した人の自伝や伝記、インタビュー本、宝塚歌劇を研究した人がその成果を発表した本などがあります。

 一口に宝塚歌劇についての本といっても、あつかう時代や切り口は実にさまざま。いろいろな視点の存在に気づかせてくれます。

 

■原作漫画 (775-T/G)

 2.5次元という言葉が、すっかりポピュラーになるまえから、宝塚歌劇では、漫画の舞台化に挑戦してきました。池田文庫では、脚色・舞台化の手法を読み解くための参考資料として、原作漫画も宝塚歌劇関連資料として収集しています。

 『ベルばら』はもちろん、『はいからさんが通る』に『シティーハンター』まで。巻数が多いものもあるので、一部だけ開架で後は書庫、という場合もあります。続きをお読みになりたい場合は、どうぞ受付まで。

 

 以上、池田文庫の宝塚歌劇関連資料の資料分類について4回にわたって紹介してきました。それぞれの分類グループに付与されている記号、例えば脚本グループですと「775-T/D」です。これを池田文庫の蔵書検索の詳細検索 の請求記号欄に「775-T/D」~「775-T/D」と入力して検索いただきますと、このグループに属する図書の一覧を見ることができます。

 

 

 タカラヅカという、演劇分野のなかの一テーマでも、集中的に収集すると膨大な数になっていきます。整理や効率的な探索のために、こうしたグループ分けが生まれました。

 池田文庫のタカラヅカの資料の山から、もとめる情報を見つけだす助けになりましたら幸いです。

 

 

(司書H)