小林一三が持ち帰ったガムランが蘇る!
2015年09月12日
小林一三が持ち帰ったガムランが蘇る! Margasari【マルガサリ】・・・Magnolia ~ガムラン-典雅な響きと舞い~ 9月23日開催このところ、NHKドラマ「経世済民の男 小林一三」の話題があちらこちらで飛び出し嬉しい限りです。今日はいよいよ後編放送です! 先週5日放送の前編では、阿部サダヲさん演じる一三さんは、 とんでもないことをしでかすのに、憎めない、お茶目なキャラクター。 後編ではそのシャープな眼がキラリと光り、斬新な発想を現実のものとしていきます。 一三さんの眼力も見所の一つですね。 今日放送の後編では、先週4日に、わがマグノリアホールでマシンガントークを繰り広げてくださった "あのミュージカルスター"井上芳雄さんの姿も登場します! 前編は語りだけでしたからね・・・。 ところで、小林一三翁の業績は、へぇ~こんなことも?!というものがどんどん出てくるのですが、日本に初めてガムランを持ち込んだことはご存知でしょうか??? そもそも、「ガムランって?」と思われる方も多いかと思います。 ガムランはインドネシアの民族音楽です。 ジャワ島やバリ島を旅行された方は、現地でご覧になったかもしれませんね。 銅鑼(ドラ)や鍵盤打楽器など様々な楽器を組み合わせて合奏されます。 小林一三は、商工大臣をしていた1940年に蘭印(インドネシア)を訪れます。 そのときに持ち帰ったのが、ジョグジャカルタの王家筋に伝わるガムラン一式です。 なんと、これがガムラン楽器の日本上陸第1号というわけです。 このガムランは、宝塚歌劇の『女八幡船(おんなばはんせん)』(1941年)という作品をはじめ、 『ジャワの踊り子』(1952年・1982年)でも使われました。 ただ、これらの劇中では小道具的な扱いで、演奏するというほどではなかったようです。 そして、月日は流れ池田文庫で保管することになったのですが、 楽器としては損傷があり、演奏することは難しい状態でした。
小林一三の持ち帰った博物資料とするなら手を加えない方がよい・・・。 でも、そのまま眠らせておいては日の目を見ることはなさそう・・・と考えたあげく、 傷んだ部分を修復し、楽器として蘇らせることにしました。 このガムラン一式はインドネシアへしばしのお里帰り。 立派な楽器として戻ってきた1998年に、池田文庫で御披露目のコンサートをしました。 その後は宝塚歌劇『MAHOROBA』(2007年)でも使われています。 インドネシアでの修復から御披露目コンサート、 さらにその後は今日までガムラン一式を預かっていただき、 楽器として活用していただいてる中川真先生のグループ「マルガサリ」の皆様によって、今回のコンサートが実現しました! 舞踊もあわせてご覧いただきます。 一三翁がジョグジャカルタで魅了されたガムランってどんなもの? そんな疑問をお持ちになった方はぜひこの機会をお見逃しなく!! 今夜のドラマで商工大臣になる一三さんもしっかり見届けてくださいね。 (学芸員T)