阪急文化財団ブログ

上巳(桃)の節句

0846 少し暖かくなって春の気配が漂ってきましたね。 そんな今日は「上巳(桃)の節句」です。 上巳とは「じょうし」とも「じょうみ」とも読みますが、五節句の一つですね。 旧暦の3月3日は桃の花が咲く季節ということもあり、桃の節句と呼ばれるようにもなりました。 この上巳の節句の起源は古く、元々は古来中国の「上巳節」にあります。 中国ではこの上巳の日に、川で身を清めて穢れを祓うという風習がありました。 これが平安時代に日本に伝わって、貴族階級の子女が、 天皇の御所を模した御殿や飾り付けで遊んでいた「雛あそび」と結びつきました。 また、川へ紙で作った人形を流して災厄を祓う「流し雛」という風習もあり、 現在の様な雛祭りの形になったのは江戸時代になってからとも言われているようです。 流し雛の風習は、『源氏物語』の「須磨」の巻にも、  弥生の朔日に出で来たる巳の日、  「今日なむ、かく思すことある人は、御禊したまふべき」  と、なまさかしき人の聞こゆれば、海づらもゆかしうて出でたまふ。  いとおろそかに、軟障ばかりを引きめぐらして、この国に通ひける陰陽師召して、  祓へせさせたまふ。舟にことことしき人形乗せて流すを見たまふに、よそへられて、 などと光源氏がお払いをした人形を須磨の海に流した場面が描かれています。 公家や武家などの身分の高い女性が嫁入りする際に持参する婚礼道具として扱われるようになったこともあり、 豪華で華美なものが作られました。 美術館などでもこの季節、雛人形を飾る展覧会を開催されているところもありますね。 雛人形にも色々と形式がありますので、そういった違いを見るのも楽しみ方の一つです。 今日の晩ご飯は、桃の節句らしく、 ちらし寿司に蛤のお吸い物などいかがでしょうか♪ (A)