2010夏季展

「逸翁が見た海外 -海を渡ってきた美術品-」

期間:2010年7月17日(土)~8月22日(日)

逸翁はその生涯で幾度か、海外を旅しています。それは公人としての仕事であったり、時に私的な訪問であったりしたこともありました。

現代でこそ、海外を旅することは珍しくなくなりましたが、昭和の初期頃、今ほど海外は身近なものではありませんでした。けれども、そんな中でも多くの日本人が異国を旅することによって、情報のみならず、様々なものがもたらされたのです。

逸翁の旅もまた、多くの先人達にならい、当時逼迫していた社会の情勢を見極めるためだけのものではなく、文化・芸術・美術の見聞を広めるためのものでもありました。エジプトで立寄った博物館、イギリスで上演されていた「ロミオとジュリエット」、フランスで見学したセーヴル国立工場、蚤の市、インドネシアから持ち帰った更紗。それらは逸翁の中で吸収され、宝塚歌劇のレビューや、劇場経営、自ら催した茶会の道具として見立てられたりなど、広く世に知られるところとなります。特に、訪問先の国々で博物館・美術館を訪れて、その国の文化に接したことは、後に逸翁が唱える「一都市一美術館」論の基となっていきます。

文化や芸術・美術に触れることは、人々の心を豊かにし、いずれは国をも潤し豊かにしていく、という逸翁の持論は、終生変わることはありませんでした。自ら青写真を描き、美術館を建設するという夢は、やがては美術館を中心とした「池田文化施設」の設立構想へと発展していきましたが、残念ながら実現を見ることなく、逸翁はこの世を去りました。

この度の展覧会では、西洋美術品を中心に、逸翁が諸外国より持ち帰った作品を展示いたします。

逸翁が海外へ向けた眼差しをご覧下さい。

会期 7月17日(土)~8月22日(日)
休館日 毎週月曜日(ただし、7月19日は開館、7月20日は休館)
入館料 一般1,000円 大・高生600円 中・小生以下無料
講演会 7月31日(土)午後2時より  「ヨーロッパのやきものと生活文化」
西洋陶磁史家 大平雅巳氏
※入館者聴講無料・午後1時より座席券配布
その他 会期中の毎週土・日・祝日(受付:午前11時~午後3時)に、美術館内にある、
逸翁考案の椅子席のお茶室「即心庵」にて、1服500円にて呈茶を行っています。