2020展示Ⅱ

わびとサビとはどう違う?

期間:2020年5月30日(土)~9月6日(日)※7月13日~7月22日展示替え休館

(伝)牧谿「蓮根図」
(伝)牧谿「蓮根図」

 しばしば「わびさび」という言葉を耳にしますが、実のところ「わび」と「さび」とは異なる美意識です。それでは「わび」と「さび」とはどう違うのでしょうか。多様な解釈があるとは思いますが、美術工芸品を例にとってこれを説明しますと...

 余白の多い簡略な筆遣いの絵。割れてヒビが入った茶碗。不完全な物。Incomplete。
 けれども他の物に無い固有の姿に、かえって面白さが感じられる。それが「わび」。

 燻し銀。煤けた古竹。時を経て色味や肌合いが変質した素材。無常。Impermanent。
 けれども新品ピカピカの物には無い、落ち着いた味わいが感じられる。それが「さび」。

 いずれも本来ネガティヴな評価であったものに対し、ポジティヴに楽しむ心を働かせています。そんな逆転の発想が共通することから「わびさび」として一緒に使われることになったのでしょう。
 本展では、上述の解釈にしたがって書画や工芸品を陳列し、「わび」「さび」をめぐる細やかな美意識の違いを示してみたいと思います。

会期 5月30日(土)~9月6日(日)
※前期(5/30~7/12)・後期(7/23~9/6)
休館日 毎週月曜日(ただし8月10日開館、11日休館、7月13日~7月22日は展示替えのため休館)
開館時間 午前10時~午後5時(ただし入館受付は4時30分まで)

※5月30日・31日は午前10時~午後4時まで
主な展示作品 (伝)牧谿「蓮根図」、粉引雨漏茶碗 遠州歌銘「時雨」、本阿弥光悦 和歌色紙「秋風に」、菊桐文秋草蒔絵大棗 等 全100点程度(展示替え有り)
観覧料 一般 700円
大・高生 500円
中・小生以下無料
シニア(65歳以上)500円
アクセス 阪急電鉄宝塚線 池田駅から北東へ徒歩約10分、詳細はこちらへ
主催 公益財団法人阪急文化財団
お問い合わせ 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館
TEL 072-751-3865  FAX 072-751-2427