宝塚歌劇100周年を記念し、今回は逸翁美術館でもタカラヅカの世界を紹介します。
各時代の個性豊かなタカラジェンヌたちは、華やかな舞台に一際映える化粧を施し、さまざまな役を演じます。力強い凛とした男役や、柔らかい空気を醸 し出す可隣な娘役、華やかであったり、清楚であったりと、タカラジェンヌの"美"へのこだわりがいろいろな表情を生み出します。
日本物作品では、美しい筆遣いで引く眉やアイラインが日本画を思わせ、洋物作品では、陰影を細密に描き出し、まるで彫刻のようなお化粧が油彩画を思 わせます。もちろん顔だけでなく、全身からあふれる空気を描き出すことにも努力を惜しみません。自らに刺激を与えるあらゆるものをとらえ、揺るぎない信念 を持って表現することで、美意識が研ぎ澄まされてきたのでしょう。
本展では、宝塚歌劇100年の歴史を支えた「白薔薇のプリンス」春日野八干代と、男役の象徴として現在も活躍し続ける轟悠を中心に、「美のカリスマ」たちの作品を一堂に集めました。華麗なる舞台姿とあわせて、歴代タカラジェンヌのアトリエヘと誘います。