2014秋季展 新館開館5周年記念「月を愛でる-うつろいと輝きの美-」
「月」は、古来より、日によって姿を変えるところや、その不思議な魅力によって、私たち日本人の心に大きな影響を与えています。「雪月花」「花鳥風月」「清風明月」など、四季の風景や自然の美しさを謳う言葉に「月」は採り上げられて、美しい姿が観賞されてきました。また、「中秋の名月」に代表される月見の風習は各地に今も息づいています。
美術の世界においても、宗教美術をはじめ、水墨画や絵巻、近世の屏風絵などに、月の姿である月輪は、古来より多くの芸術家にとって格好の題材となりました。手箱や硯箱などの蒔絵の意匠、陶磁器への絵付など、その様相は極めて多彩で私たちを魅了し続けています。
このたびの展覧会は、「詠む」「描く」「作る」「飾る」「奏でる」をテーマに、それぞれの世界で表現された、「月」本来の持つ自然と調和する美しさを感じられる作品を展示し、私たちが「月」に寄せた「想い」をさぐろうとするものです。
様々に移ろう「月」の魅力をお楽しみください。

