本年平成25年(2013)、小林一三(逸翁)生誕140年を迎えたことを記念し、春秋二部構成で、近代茶人でもあった逸翁の茶人としての姿を浮かび上がらせる展示を開催することとなりました。
まず、第一部では阪急文化財団と読売新聞社が共催で、逸翁が最も敬愛した大名茶人である松平不昧を採り上げます。
不昧は出雲松江藩の第7代目当主で、江戸時代を代表する大名茶人の1人です。
不昧が茶道界に残した足跡は大きく、『古今名物類聚』の刊行や、不昧が集めた道具帖、いわゆる雲州蔵帳はあまりにも有名です。
昭和29年(1954)4月、阪急百貨店6階にあった古美術街では、全街を挙げての催しものとして 「不昧公大圓祭」を 開催しました。
この古美術街では、逸翁の肝入りで百貨店内に日本で初めて作られ、誕生は昭和7年(1932)にさかのぼります。
「不昧公大圓祭」は、島根県や松江市からの要請もあり実現した展覧会で、かつてない規模で開催されました。
島根からの出品物の他、古美術街や雑誌「日本美術工芸」編集部の協力のもとに、不昧の好みものや、縁の作品などが展示されました。
逸翁はこの催しに非常に強い感銘を受け、自著『大乗茶道記』に詳細な記録を残しました。
この度のは「不昧公大圓祭」において当時出品された作品を中心に、逸翁の収集した不昧に縁のある作品を展示し、逸翁の茶道観に迫ります。
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