日本画の巨匠・橋本雅邦の名作「瀟湘八景図」(しょうしょうはっけいず)八幅一挙公開!!
小林一三(1873~1957)コレクションの中から、近代日本画に注目した展覧会を開催いたします。一三が近代日本画を収集していたのは、三井銀行に勤めていた、二十代から三十代にかけての壮年期のことです。『小林一三日記』には、仕事の傍ら様々な画会に出席し、当時「新画」と呼ばれた作品を買い求めていた様子が記されています。この時期は「鼎会」という鈴木華邨、寺崎広業、川合玉堂を後援する会に参加もしており、中でも華邨の作品を特に愛し、最も多く収集しています。銀行を退行すると、一家を挙げて大阪に移り住みますが、その際に当時持っていた新画の殆どを処分しました。
しかし、中には処分されることなく大阪に持ってきた作品があります。これは一三の強い思い入れのあらわれでしょう。
また、一三は阪急百貨店に古美術街を作りました。これは一三の画期的なアイデアでありました。美術部では活発な活動を行い、様々な企画展覧会を行います。一三は頻繁に展覧会を訪れており、そこから作品の購入や作家との交流が生まれたのでしょう。この度は、明治36年(1903)に開催された第五回内国勧業博覧会において出品された、橋本雅邦の「瀟湘八景図」八幅対を一同にご覧頂きます。一三は雅邦のことを高く評価していました。一三が愛した近代日本画の世界をご覧ください。