2011秋季展

「絵巻 -大江山酒呑童子・芦引絵の世界-」

期間:2011年9月17日(土)~12月4日(日)

小林一三・逸翁の絵巻コレクションの中で、双璧をなす絵巻は、「大江山絵詞」と「芦引絵」(共に重要文化財)です。
「大江山絵詞」は源頼光をはじめとする四天王が、酒呑童子を退治する様を描いた絵巻です。この酒呑童子を描いた絵巻は、その住居を大江山にするか伊吹山にするかによって大きく2系統に分けられますが、大江山を住居とする系統の最古の作と言われているのが当館所蔵の「大江山絵詞」、伊吹山を住居とする系統ではサントリー美術館蔵の「酒伝童子絵巻」が代表作です。前期展示では、この2つの「酒呑童子」の絵巻を共に並べることで、両絵巻の様々な対比をご覧いただきます。また、お伽草子として広く読まれるようになっていった鬼退治の物語とともに、軍記物と呼ばれる絵巻なども併せて展示いたします。

「芦引絵」は僧侶と稚児の恋愛を、中心に中世社会を生き生きと描き出した絵巻です。徳川美術館蔵の「青蓮院稚児草紙」も、「芦引絵」と同じく「稚児物語」と言われる作品ですが、両絵巻とも恋愛だけではなく、その宗教的色彩の濃さもまた特徴です。これらの物語が生み出された時代は、社会的にも宗教が大きな転換期を迎えており、それら世相を色濃く反映しているといえます。後期展示では、この2つの「稚児物語」の絵巻を共に並べるとともに、寺社縁起絵巻などを併せて展示いたします。

逸翁の絵巻コレクションの精華をお楽しみください。

会期 9月17日(土)~12月4日(日)
前期:9月17日(土)~10月23日(日)
後期:10月25日(火)~12月4日(日)
休館日 毎週月曜日(ただし、9月19日・10月10日開館、9月20日・10月11日休館)
開館時間 午前10時~午後5時(入館受付は午後4時30分まで)
主催 逸翁美術館 毎日新聞社
講演会 10月15日(土)「二つの”酒呑童子絵”」 群馬県立女子大学教授 榊原悟氏
11月12日(土)「中世寺院と絵巻」  徳川美術館副館長 四辻秀紀氏
ギャラリートーク 10月22日(土)、11月19日(土) 両日とも午後2時から
イベント 10月1日(土)14時から「狂言の集い -狂言と絵巻のたのしみ方-」
料金2,800円(要申込)
お申し込み方法 往復はがき・FAX・E-mailに、住所・氏名・連絡先電話番号(FAXの方はFAX番号も)・希望枚数を明記の上、下記までお申し込みください。