2011早春展

「古筆と平安の和歌 -料紙と書の美の世界ー」

期間:2011年1月15日(土)~3月6日(日)

小林一三(逸翁)が蒐集した古筆資料は数多く、中でも、大正8年に益田孝(鈍翁)のもとで切断された「佐竹本三十六歌仙絵巻 藤原高光」(重要文化財)は、世間に広く知られた作品です。さらに、鈍翁が蒐集した古筆切の名品24葉を、昭和10年頃、田中親美に依頼して手鑑帖に仕立てさせ、自ら命名した「谷水帖」(重要文化財)も逸翁の古筆蒐集を代表する作品といえるでしょう。

「古筆切」とは、おおよそ鎌倉時代以前の能筆家の書写した、書籍や巻子本といった作品を、愛好家の増加にともない、その需要に応じるために1枚ごとに裁断し、軸装や帖に仕立てたことに由来します。
茶道の隆盛とともに、床に掛けて楽しみ、数多くの名筆を味わう古筆手鑑なども江戸期には生みだされています。

今回の展示では、伝紀貫之筆「部類銘家集切」、伝藤原行成筆「和泉式部集切」、伝西行筆「白河切」(後撰和歌集)、その他多数の古筆切、『古今和歌集』『和漢朗詠集』等の冊子本、巻子本、絵巻の断簡などを一堂に公開します。

主催 逸翁美術館・読売新聞大阪本社
会期 平成23年1月15日(土)~3月6日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前10時~午後5時(入館受付は4時30分まで)
料金 一般 1,000円 大・高生 600円  中学生以下無料
主な出品作品 佐竹本三十六歌仙切 藤原高光【重要文化財】
伏見天皇宸翰御歌集(広沢切)【重要文化財】(京都国立博物館蔵)
古筆手鑑(白鶴美術館蔵)
古筆手鑑「野草芳」(藤田美術館蔵)
古筆手鑑「筆林」(大阪市立美術館蔵)
講演会 2月12日(土) 午後2時~ 「かなの魅力」
講師 五島美術館 学芸部長 名児耶明氏

2月26日(土) 午後2時~ 「古筆の楽しみ、古筆切と平安和歌の世界」
講師 逸翁美術館館長 伊井春樹氏

※両日とも入館者聴講無料・午後1時より座席券配布
茶会 1月25日(火) 逸翁忌懸釜 担当 裏千家 佐藤宗紀社中
※要申込み(受付け期間 2010年10月1日~ 先着450名まで)
詳細は美術館へお問い合わせください。
その他 会期中の毎週土・日・祝日に、館内にある茶室「即心庵」にて1服500円にて呈茶。
椅子席のお茶室で、館蔵品を使ってお茶を楽しんでいただけます。