2012春季展

「−茶会記をひもとく− 逸翁と茶会」

期間:前期:4月7日(土)〜5月6日(日) 後期:5月9日(水)〜6月10(日)

逸翁は20代の頃、様々な書画や茶道具と出会います。三井銀行勤務時代、支店長であった高橋箒庵に命じられて茶道具を調査する機会があり、後にこの時のことを、「私はそれによって茶道に対する知識と興味を養われたことを感謝している」(『逸翁自叙伝』)と述べており、大きな影響を受けたことがわかります。生涯にわたる逸翁と茶の湯の深い関係へと連なるこの出会いは、逸翁が近代茶人の道を歩み始めるきっかけとも呼べるものでした。三井銀行を退社し、箕面有馬電気軌道(後の阪急電鉄)を起業した40代前半頃、茶道の師となる表千家の生形貴一宗匠と出会い、本格的に逸翁は茶人としての道を歩み始めます。西洋陶磁を茶道具に見立てた茶会、懐石料理に洋食を取り入れた茶会など、今日では珍しくない、新しい試みを茶会に取り入れて、実践したことはよく知られ、新たな茶の湯へ取り組む姿勢は、逸翁の変わらぬ心情でありました。

こうした近代数奇者としての逸翁の姿を、残された茶会記をひもときながら明らかにしていき、また、同じく近代茶人として知られた人々の茶会についても取り上げ、お客としてや亭主の立場以外から、逸翁がどのように茶会を捉えていたのかも、あわせてご覧ください。

休館日 毎週月曜日(但し4月30日開館、翌5月1日(火)休館、また一部展示替えのため5月8日(火)休館)
開館時間 午前10時 ~ 午後5時(入館は午後4時30分まで)
主催 財団法人阪急文化財団 逸翁美術館 ・ 日本経済新聞社
会場 逸翁美術館
入館料 一般1,000円  大・高生600円  中学生以下無料
講演会 4月21日(土) 午後2時より
野村美術館館長・茶の湯文化学会会長  谷 晃 氏
「近代の数寄者 -箒庵・逸翁・得庵を中心に-」

5月19日(土) 午後2時より
湯木美術館学芸部参与・茶の湯文化学会副会長  谷端 昭夫 氏
「逸翁と湯木貞一」

※両日とも、入館者聴講無料。13時より座席券配布、先着120名。
イベント 5月26日(土) 午後2時より
「第2回狂言の集い -茶の湯とのめぐりあい-」
料金2,800円 ※要申し込み。
ギャラリートーク 4月29日(日)・6月2日(土)
各日午後2時から担当学芸員による展示解説
図録販売 2012春季展図録 「茶会記をひもとく 逸翁と茶会」

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2012haruzuroku

サイズ : A4版、カラー図版67ページ、全90ページ
定価  : 1,050円(税込)
呈 茶 毎週土・日・祝日にお茶を呈します。
一服500円 [受付]午前11時~午後3時