歴史上、どれほど多くの人たちが「神さま」「仏さま」と唱えて、助けを願い、救いを求めたことでしょう。それは計り知れません。そうした神さまや仏 さまは、図や像に造形化されて、私たちは身近に礼拝することができる対象物を得ました。人々の思いが深められ、願いが誠実なものになればなるほど、図や像 は麗しく飾られ、その奇跡を伝える表現には現実味が求められるようになりました。
本展では、仏教・神道・キリスト教関連の絵画や彫刻・工芸品を陳列します。作品に凝らされた様々な造形上の工夫には、時代や国を超えたたくさんの 人々の祈りや願いが覗われます。かつての人たちが図や像を見つめた同じ眼差しを共有して、私たちもまたその祈る心を理解したいと思います。