世界には様々な食文化が存在します。近年、欧米化が進む世界の食生活の中で、野菜や魚介類を使った低カロリーな日本食は、「和食」として注目を浴びるようになりました。折しも2013年、世界無形文化遺産に登録された「和食」は、世界に誇る日本の食文化と言えるでしょう。
この「和食」に、日本流の「おもてなしの心」を加えた日本料理の極地とも言えるものに、「懐石(料理)」があります。本来は茶の湯の席において、濃茶とそ れに続く薄茶を味わうために供される食事のことを指し、特に「茶懐石」と呼ばれて、正式なお茶事の席には欠かせない要素です。
逸翁はこの茶懐石に、「和食」だけでなく、当時一般家庭にそれほど普及していなかった「洋食」をも取り入れ、西洋の器を積極的に用いた先駆者の一人です。愛用の懐石の器に合わせて、時代とともに変遷する逸翁の茶懐石を紹介いたします。
またこの展覧会では、湯木美術館の特別なご協力のもと、数々の貴重な作品をご出品いただきました。日本料理を芸術の域にまで高め、世界に広める礎となった 料理人湯木貞一氏は、同時に一流の数寄者でもあり、現在その収集品の多くは湯木美術館へ収められています。逸翁との交流も深い、湯木氏ゆかりの懐石道具の 取り合せを、合わせてご覧下さい。
2015春季展【特別展】
「器を楽しむ ~逸翁の茶懐石~」
期間:4月11日(土)~6月7日(日)会 期 | 4月11日(土)~6月7日(日) |
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主な展示作品 | 銹絵絵替筒向付 尾形乾山作 赤絵双魚文平皿 北大路魯山人作 志野八橋図鉢 藍絵瓢形写瓶 他 ※ 出展目録はこちら。(PDF約1.8MB) |
講演会 | 《和食文化の中の懐石》 日 時 5月16日(土) 14時より 講 師 熊倉功夫氏(静岡文化芸術大学学長) 会 場 マグノリアホール(逸翁美術館内) ※入館者聴講無料・午前10時より座席券配布 先着120名 |
ギャラリートーク | 5月23日(土)午後2時から担当学芸員による展示解説 |
休 館 日 | 毎週月曜日(但し5月4日、5日、6日は開館、5月7日は休館) |
開館時間 | 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
観覧料 | 一般 800円 大・高生 500円 中・小生以下無料 シニア(65歳以上)600円 |
主 催 | 公益財団法人阪急文化財団、朝日新聞社 |
企画協力 | 公益財団法人湯木美術館 |
※お問い合わせ | 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館 TEL 072-751-3865 FAX 072-751-2427 |