逸翁美術館開館60周年記念展 第一幕

THE 書 ~数寄者が集めた古筆、お見せします~

期間:4月8日(土)~5月28日(日)

 本年2017年は、逸翁の没後60年にあたります。生前、美術館の設立を夢見ていた逸翁の遺志を継ぎ、逸翁が没した1957年に開館した逸翁美術館も同じく開館60年を迎えます。これを記念した展覧会を1年間を通じて開催し、逸翁が独自の審美眼で蒐集した作品を、ジャンルごと6期に分けてご覧いただきます。第一幕は「書」の作品です。

 書の歴史は中国に始まります。中国を起源とする漢字は、様々な情報を伝えるための実用的な手段として用いられていましたが、やがて書かれた文字そのものを美的に表現したり、鑑賞するようになります。こうした「書」の文化は日本へ伝わり、中国の漢字のみならず、漢字をもとにした日本独自の文字である「かな」を生み出しました。かなの誕生は、日本の文化に変化をもたらし、特に和歌や文学作品に大きな影響を与えます。かな文字の柔らかく流れるような筆致は、それまでの中国の書とは異なった優美さが愛され、中でも平安から鎌倉時代に書されたものは「古筆」と呼ばれて、珍重されてきました。それらは近代になって、数寄者の間で茶の湯の掛物として用いられるようになると、さらに古筆の人気は高まり、逸翁もまたこうした古筆を集め、茶席で用いました。

 この度は、こうした「かな・古筆」の作品の他、中国の書風を日本へ伝える「墨蹟」の作品も展示いたします。開館60周年記念展の幕開け、第一幕では書の美をご覧下さい。

佐竹本三十六歌仙切
谷水帖 石山切
会期 4月8日(土)~5月28日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
講演会 日時  4月22日(土)午後2時より
講師  逸翁美術館 館長 伊井春樹
演題  「かな古筆切の魅力」

※聴講無料、要観覧券。午前10時より座席券配布(先着120名)
ギャラリートーク 5月13日(土)午後2時より 担当学芸員による展示解説
主な展示品

重要文化財  佐竹本三十六歌仙切 藤原高光 伝藤原信実絵 伝後京極良経書
重要文化財  継色紙「あまつかぜ」 伝小野道風筆
重要文化財  古筆手鑑 谷水帖 二十四葉
重要美術品  伊勢集断巻(石山切)「ぬきためて」 伝藤原公任筆
重要美術品  後撰集 巻第十断巻(白河切)「人のもとに」 伝西行筆

目録はこちら。(PDF 833KB)

観覧料 一般 700円
大・高生 500円
中・小生以下無料
シニア(65歳以上)500円
アクセス 阪急電鉄宝塚線 池田駅から北東へ徒歩約10分、詳しくはこちらへ
主催 公益財団法人阪急文化財団
※お問い合わせ 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館
TEL 072-751-3865  FAX 072-751-2427