阪急文化財団ブログ

茶碗トークShow作る人×売る人×使う人

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昨日は「茶碗トークShow 作る人×売る人×使う人」を開催しました。

こういったトークショーは初めてだったのでどうなるのか少し心配していましたが、たくさんのお客様にもお越しいただき、漏れ聞こえてくる笑い声などからもなんとか上手くいったのかな、と思っています。

作る人である陶芸家の村田浩一郎先生には、ご自身の作陶についてや、陶芸の時に使う「土」の話などをお聞きしました。

印象的だったのは、轆轤(ろくろ)を回すときに余りにも手際よく形を作られるので、てっきりそれを全て焼き上げるのかと思ったら、渇かして削りだして釉掛けをして、その中で出来の良い物を取捨選択して焼かれるんだ、ということでした。つまり良い物だけが残されていくわけですね。

また、大自然の中にご自身の作品を置いて写真撮影をされることが多くあるそうなのですが、その時に「お茶碗は格の高いお道具なのですから座敷の上で」と言われることもあるそうです。ただ村田先生は茶碗は土から出来ているものだからこそ、自然の中においても輝く、そう考えられているそうです。

売る人、北川昭雲堂・北川正治氏には、少しぶっちゃけトークのようなものを行っていただき、お店で販売されているお茶碗の値段を仰った時には会場内から「おおー・・・」という声が聞えてきました。

茶箱の紐の結び方や、実際に茶碗が収められている箱の話なども実演を交えてご紹介いただきました。

司会者「それでこの茶碗はお値段の方は・・(お店で販売している某ご当代の茶碗です)」
売る人「この場で言っていいんですか?・・600万円です。」
聴衆「おー・・・ザワザワ( ; ゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )」#ぶっちゃけトーク中です#トークショー

— 阪急文化財団 (@Hankyu_Culture_) 2016年5月21日

使う人である三丘園茶店 宮川宇一氏には、知っているようで知らない「お茶」についてのお話しなどを伺いました。逸翁の提唱した大乗茶道は、様々な方にお茶を楽しんで頂くことです。

お抹茶は決して特別な場でだけの飲み物なのではなく、日頃からお抹茶を楽しんで欲しい、そんな逸翁の想いも合わせてご紹介いただきました。

3人の立場の違う方からそれぞれの特徴に合わせたお話しをお聞きすることができました。

村田浩一郎様、北川正治様、宮川宇一様、本当にありがとうございました。

(学芸員A)