東風吹かば
2010年2月28日
梅にまつわる歌といえば真っ先に私が思い出すのは、
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな 菅原道真
ですが、みなさんはいかがですか?
この歌は初出の『拾遺和歌集』では「春を忘るな」なのですが、後に「春なわすれそ」と変化しています。
どちらかというと、「春なわすれそ」の方が一般的になってきているのでしょうか。
私にとっては「春を忘るな」の方がなじみが深いのですが。
「梅」といえば、『万葉集』のころは、「花」といえば「梅」を指していたくらいでしたが、
『古今和歌集』の頃になると、「花」といえば「桜」を指すようになります。
奈良時代から平安時代に移り変わる際に、何らかの変化があったのでしょうね。
写真の梅の花は、もともと美術館のあった、雅俗山荘内で咲いていた白梅です。
最近の暖かさでようやく見ごろを迎えました。
今は「小林一三記念館」開館に向けての工事中ですので、
見に訪れる者といえば、工事の方々か私たちくらいなもの。
せっかく綺麗に咲いているのに、少し梅の木に申しわけない気がします。
記念館のオープンまでには散ってしまうでしょうけれど、
来年はきっとまた多くの皆様に見ていただけるのではないかな、
そうだったらいいな、と思っています。