2018展示Ⅲ

百貨店で花開く ―阪急工美会と近代の美術家たち―

期間:2018年10月27日(土)~12月9日(日)

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 明治以後、多くの博覧会が国内外で開催され、日本の美術工芸品に対する評価は高まりを見せていました。大阪・東京などにあった百貨店では、明治から昭和の初め頃にかけて、美術部を中心にさまざまな美術や工芸の展覧会が企画され開催されました。その中には、当時新画と呼ばれた日本画や、陶芸・漆芸・竹工芸などの工芸品などが含まれます。

 昭和4年(1929)に開店した阪急百貨店では、同年に「阪急工美会」を結成しています。当時の在阪一流の工芸作家をさまざまなジャンルから集め、年に1度百貨店において発表の場を与えて、さまざまな工芸作品を世に送り出しました。阪急工美会を後援し育てたのは小林一三です。百貨店を「買っておいて損のない」「安くても良い」美術品を販売する場としてとらえていた一三にとって、一流の工芸作家による工芸品はまさに自身の考えを形にした作品だったことでしょう。メンバーには、好みものを作らせた漆工の三砂良哉をはじめ、鋳金の大国寿郎、陶芸家の和田桐山、竹工の山本竹龍斎などがいます。

 古美術の名品に対する鑑賞を経て培われた小林一三の審美眼。その美意識をもって一三は、さらに同時代の画家や工芸作家達の作品をどのように見つめたのか。この展示では、明治から昭和にかけて、百貨店の美術展で活躍した近代の画家や工芸作家の作品を中心に、阪急百貨店に誕生した阪急工美会のメンバーによる作品も展示し、百貨店で花開いた一三を中心とした文化サロンで活躍した近代の美術家たちを紹介します。

会期 10月27日(土)~12月9日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前10時~午後5時(ただし入館受付は4時30分まで)
講演会 日時  11月24日(土)午後2時
講師  大阪大学教授 社学共創本部/総合学術博物館・大学院文学研究科兼任 橋爪節也氏
演題  花開く百貨店文化―大大阪時代のデパートと美術発信―

※聴講無料、要観覧券。午前10時より座席券配布(先着120名)
ギャラリートーク 12月1日(土)午後2時より 担当学芸員による展示解説
主な展示作品

鏑木清方筆 「八幡鐘図」
北大路魯山人作 「赤絵金襴手魚文鉢」
河井寛次郎作 「海鼠釉草花図合子」
三砂良哉作 「桜雪吹蒔絵茶器 惺斎好」

※目録はこちら(PDF0.97MB)

観覧料 一般 700円
大・高生 500円
中・小生以下無料
シニア(65歳以上)500円
アクセス 阪急電鉄宝塚線 池田駅から北東へ徒歩約10分、詳細はこちらへ
主催 公益財団法人阪急文化財団
お問い合わせ 公益財団法人阪急文化財団 逸翁美術館
TEL 072-751-3865  FAX 072-751-2427