阪急文化財団ブログ

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『阪急文化研究年報』第6号を刊行しました

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『阪急文化研究年報』第6号を刊行しました。

これは学芸員等が取り組んでいる日頃の調査・研究の成果を発表するものです。

収録内容は次のとおりです。

 

伊井春樹「逸翁美術館蔵梵字経刷白描伊勢物語絵巻について」

宮井肖佳「小林一三の目指した文化ネットワークとその意義(五)―北大路魯山人との交流「新茶道」と「実験茶会」―」

仙海義之「連載(二)「十巻抄」一〇巻(重要文化財)第三巻・第四巻」

竹田梨紗「連載(六)逸翁美術館蔵「芦葉会記」(昭和二十一年)」

正木喜勝「片岡勝旧蔵野球資料(一九二〇~四〇年代)」

平成28年度事業報告

 

閲覧ご希望の方は池田文庫にお越しいただくか、

お近くの公共図書館や大学図書館にお尋ねください。

 

(学芸員Y)

第4幕「ひねもす蕪村 絵と俳句」始まりました!

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さて、本日10月28日(土)より、逸翁美術館開館60周年記念 第4幕「ひねもす蕪村 絵と俳句」展が始まりました。

与謝蕪村の単独の展示としてはおよそ14年ぶりです。

展覧会は4章構成になっていて、

1章・・蕪村の芭蕉への敬慕

2章・・蕪村の絵画

3章・・蕪村の俳句

4賞・・蕪村の俳画

となっています。蕪村は俳人でもあり画家でもありましたから、それぞれの世界でももちろん傑作を残していますが、やはり「俳画」は蕪村の「詩」「書」「画」が一体となって表わされた素晴らしい作品が多いことが特徴です。

逸翁は蕪村の作品を茶会で床に掛けており、それまで絵画作品を茶会で使用することは余り行われていなかったため、画期的なことでした。

逸翁は日記だけでなく、美術作品の購入記録もたくさん残してくれているため、実際は現在収蔵している作品よりも多く蕪村の作品を購入していたと思われます。何らかの事情で手放されたのだと思いますが、それだけに今回展示している蕪村作品は、逸翁にとって、とても思い入れの強い作品と言えるのではないでしょうか。

今回の展覧会タイトルは、蕪村の有名な俳句「春の海ひねもすのたりのたりかな」から取っています。のんびりとした気持ちで、逸翁も愛した蕪村作品を終日(ひねもす)楽しんでいただければと思います。

展覧会は12月17日(日)までです。

ぜひとも逸翁も愛した蕪村作品の魅力に触れにきてくださいね。

 

(学芸員A)

2017年友の会見学旅行に行ってきました♪

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秋晴れの9月30日、今年度の友の会見学旅行に行ってきました。

行き先は山田松香木店様でのお香体験と、陽明文庫様の見学です。ぬけるような青空の下、出発しました。

まず最初は山田松香木店様でのお香体験です。香木の種類などを説明していただき貴重な香木も見せていただきました。その後、お香体験をそれぞれ楽しんでいただいたと思います!

お香の世界はとても奥深くて想像していたより、お香の種類を聞き分けることが大変でした。

その後は、等持院の近くにある割烹竹茶寮にでお昼ご飯です。松花堂弁当を頂きましたが、どれもこれもおいしくてお腹いっぱいになりました。

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その後は、近衛家由来の宝物を管理されている「陽明文庫」様に伺い、文庫長の名和先生にご案内いただきました。

普段なかなか見ることができない貴重な宝物をたくさん拝見し、長年守ってこられた方だからこそのお話もお聴きすることができ、とても勉強になりました。

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来年の目的地はどこになるのか、ネタをひねり出してみたいと思います。

こういった友の会の見学旅行にご参加いただくには、阪急文化財団友の会にご入会いただく必要があります。ぜひご参加いただいて、来年、ご一緒に旅に出ませんか?普段なかなか行きにくいところなどをご案内できるかもしれませんよ♪

 

(学芸員A)

明日から「茶の湯道具始 ようこそ収集家の世界へ!」始まります

さて、明日26日から開館60周年記念展 第三幕「茶の湯道具始 ようこそ収集家の世界へ!」を開幕します。

今回の展覧会のテーマは、ずばり「茶の湯ワンダーランド!」です。

それほど広くない展示室に、これでもか、というくらい作品が登場しています。普段あまり見る機会がなかった作品も出ています。

例えば、炭道具は、お茶事にならないと見る機会があまりない道具ですが、実はとても奥深いんですよ。ホンモノの鳥の羽根を使った羽箒や炭を入れる炭斗なども凝ったものが作られています。

コレクターである逸翁がどんな意図で集めたのかな?そう考えるとまた違った面白さも出てくると思います。

お茶ってこんなにたくさんの種類の道具があるんだ、そんなことが見ていただける展示になっていると思いますので、気軽に見にきてくださいね。

 

開け!絵巻

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さて、開館60周年記念展の第二幕「開け!絵巻」が始まりました。

この展覧会では「絵巻」と「経巻」の展示を行います。

当館が誇る絵巻コレクションを一挙公開です!

例えば、大江山に住む鬼・酒呑童子の退治を描いた「大江山絵詞」は、いつもよりも長めに展示しますので、鬼退治の様子をじっくり見ていただけますよ。

その他にも、物語性の高い絵巻ばかりを取りそろえました。追いかけてくる女性から必死の形相で逃げるε=ε=ε=┌(;´゚ェ゚)┘男の姿や、自分からしかけたのに返り討ちにあって逃げる天狗など盛りだくさんです。

夏休みの宿題にもぴったりなので、学生さんもぜひ!この絵巻展は7月30日までで、そこから8月25日までは展示替えで休館しますので、夏休み早めに見に来ないと宿題をしようとしたときには開いていない!なんてことにならないようにしてくださいね!

 

(学芸員A)

残り3日!

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さて、開館60周年記念展第一幕

「THE 書 ~数寄者が集めた古筆、お見せします~」も残すところ後3日になりました!

もうご覧いただきましたでしょうか。

書というものは、一見とっつきにくいような印象があると思います。


( ˘ω˘ ).。oO(中の人もそんなイメージを持っていますから、わかりますとも)

 

でも、じっくり見ていくと、筆遣いのうまさだったり、また様々な料紙の美しさとのコラボなどに気付くはず!

 

これだけ多くの書に関係する展覧会はしばらくは当館では行いません。

この機会を逃すと当分見られない作品も多々ありますので、ぜひお見逃しなく!

 

 

「高校野球発祥の地記念公園」竣工式

4月6日、豊中市の「高校野球メモリアルパーク」が敷地を広げて、「高校野球発祥の地記念公園」としてリニューアルされました。その竣工式典に参列させていただきましたので、その様子をご紹介しますね。

会場は豊中駅から西へ徒歩10分ほど。豊中駅からまっすぐのびた道を進んでいきます。

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沿道には、かつて箕面駅前にあった「カフェ・パウリスタ」を移築した「豊中倶楽部自治会館」があります。現在はご覧のとおり新しく建て直されています。

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そして会場に到着!

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阪急文化財団所蔵の「豊中運動場平面図」もご覧のとおり、陶板にされて地面に埋め込まれました!

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高校野球の全国大会が初めて開催された場所、それがこの「豊中グラウンド」(豊中運動場)なのです。

1913(大正2)年、箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)によって設営されたグラウンドで、高校野球のみならず、高校サッカー、高校ラグビーの全国大会発祥の地としても知られています。

他にも、日米野球戦や「日本オリンピック大会」など、様々なスポーツイベントが開催されていました。

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記念公園のおすすめポイントはこの「レンガ」です。グラウンドがあった当時のものと言われており、跡地にお住まいの方々が、大切に保管されていたものです。

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また、歴代優勝校と準優勝校のネームプレートも新たに設置されました。

第1回優勝校・京都二中から、昨年の作新学院(栃木)まで、ずらりと並んでいます。あと100年分はスペースがあるそうです!

 

これからも、高校野球ファンや地域の方に愛される公園であり続けますように。

 

(学芸員Y)

 

阪急文化アーカイブズの使い方

■横断検索
トップページの横断検索では【阪急・宝塚ポスター】【浮世絵・番付】【民俗芸能】の3カテゴリの全項目をまとめて検索できます。複数のキーワードをスペースで区切ると、それらのキーワードをすべて含む資料が検索できます。

■カテゴリ別検索
カテゴリを限定して検索することもできます。各カテゴリのキーワード欄に入力して検索してください。複数のキーワードをスペースで区切ると、それらのキーワードをすべて含む資料が検索できます。
PC版では【阪急・宝塚ポスター】の「路線図から検索」や【民俗芸能】の「地図から検索」機能が使えます。

■検索結果(一覧)
検索結果は「画像表示」「画像・テキスト表示」「テキスト表示」の3種類から選べます。【民俗芸能】には「芸能別表示」と「資料別表示」がありますが、通常は初期設定の芸能別表示をご利用ください。
PC版のテキスト表示・芸能別表示では、項目名のクリックで並べ替え(昇順・降順)ができます。

■検索結果(詳細)
検索結果の画像やテキストをクリックすると、大きい画像と詳細情報が表示されます。
「館内限定公開」の資料は、池田文庫設置のPCやマイクロリーダ等で閲覧できます。ただし資料によっては予約や紹介状が必要ですので、事前にお問い合わせください。【民俗芸能】はすべて館内限定公開です。

■詳細検索
項目を指定して検索する場合は、各カテゴリの「詳細検索」をお使いください。スペースで区切られた同一項目内のキーワードや、複数項目に入力されたキーワードに対し、「いずれかに該当する条件で検索」または「すべてに該当する条件で検索」が可能です。

◆項目ルール
各カテゴリの項目ルールは以下のとおりです。検索・閲覧にお役立てください。

【阪急・宝塚ポスター】

キーワードカテゴリ内の以下の全項目を検索できます(検索画面のみ表示)
分類ポスター内容分類から選択
クレジットアートディレクター、デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー等、制作者の名
イベント開催年やポスターの制作・掲出年(yyyy形式)
期間・以降・以前で検索できます
年月日イベント開催等の年月日(yyyy/mm/dd形式)
場所イベント開催地や関連する場所
被撮影者ポスターに写っている人物の名
タイアップタイアップの社名や商品名
内容イベント名、キャッチコピー等の文字情報
検索の便を優先し、適宜省略または補足しています
演目*演劇のタイトル、副題、宝塚歌劇のジャンル表記
幕・場・景*演劇の幕数、場数、景数
劇団・主催*演劇の上演団体名
組*宝塚歌劇団の組
スタッフ等*演劇の作者、演出者、原作者等
判型・寸法ポスターのサイズ
阪急最寄駅イベント開催地の最寄駅(阪急・能勢電鉄等)
原則としてポスター記載情報に準拠していますので、現在と異なることがあります。阪急・能勢電鉄からバスやケーブルに乗り換える場合、その乗換駅を最寄駅と見なしています。ポスターに記載がないものも、他の資料や慣例に基づき目安として最寄駅を入力しています。

*の項目は、詳細情報画面では「演目情報」としてまとめて表示されます

【浮世絵・番付】

キーワードカテゴリ内の以下の全項目を検索できます(検索画面のみ表示)
分類役者絵・絵看板・各種番付から選択
No.登録番号
絵師絵師名 代数は[ ]内に表記
上演年(西暦)上演あるいは制作された年(yyyy形式)
期間・以前・以降で検索できます
上演年(和暦)上演あるいは制作された年(和暦yy形式)
上演月日上演あるいは制作された月日(mm月dd日形式)
上演場所劇場名、地域名
劇場名は「芝居」「座」等を省略し「中」「角」等と入力しています。詳細検索では、この項目のみ完全一致で検索を行います。地域名は原則として上演当時の呼称を用いていますが、便宜上1868年を境に大坂/大阪、江戸/東京と分けています。
外題上演作品のタイトル
読み仮名は( )内に表記
幕・場名上演作品の幕名・場名
役者(役名)役者名と役名
役名は( )内、役者の代数は[ ]内に表記
画題・画中文字画中の文字を表記どおりに記したもの
判型・技法判型・技法
落款・印章落款・印章
摺師・彫師摺師名・彫師名
版元・発行人版元・発行人
改印浮世絵の発行許可印
番付ジャンル番付に記載されている演劇・芸能のジャンル
番付劇団名番付に記載されている上演団体名

【民俗芸能】

キーワードカテゴリ内の以下の全項目を検索できます(検索画面のみ表示)
分類民俗芸能分類から選択
三隅治雄『日本民俗芸能概論』の分類法に基づいて作成された、池田文庫編『日本民俗芸能資料目録(改訂版)』の分類を採用しています
芸能名芸能名
演・曲目芸能の演目・曲目
別名芸能の別名
詳細検索では、芸能名欄で検索できます
芸能所在地芸能の伝承地
取材当時の地名を採用しています
取材年芸能を取材した年(yyyy形式)
期間・以前・以降で検索できます
取材年月日芸能を取材した年月日(yyyy/mm/dd形式)
取材場所芸能を取材した会場
現地で取材したものは「現地取材」、提供を受けたメディアを再録したものは「宝郷」と入力されています
催会名芸能が上演された催事名・大会名
提供を受けたメディアを再録したものは「再録」と入力されています
プログラム催事・大会プログラムの所蔵の有無
所蔵資料池田文庫所蔵資料
「DVD」は映像資料、「DAT」は音声資料、「35ミリアルバム」と「スライド台紙」は写真資料、「レポート」は取材者が作成した報告書です

2017年3月公開

2023年1月更新

年間パンフレットができました

60周年パンフレット 

 

60周年の年間スケジュールができました。

これがあれば、どの指定文化財がどの展覧会に出るのか一目でわかります!

2017年度は展覧会と展覧会の間の休館日がいつもよりかなり少なく、小刻みに展覧会を行います。

1つの展示の中では展示替えはありませんので、どのタイミングでも、その展覧会に出品する指定文化財や代表的な作品を見逃すことはありません。

ただ、小刻みに変わるため、見たいと思っていた作品の展覧会がすぐ終わってしまうということもありえますので、注意してくださいね!

 

 

(学芸員A)

\逸翁美術館開館60周年記念展スケジュール公開/

佐竹本三十六歌仙切
大江山絵詞
豊臣秀吉画稿
奥の細道画巻
白梅図屏風(右)
花鳥蒔絵螺鈿洋櫃

逸翁美術館は小林一三が亡くなった1957年10月3日に開館し、今年で60周年を迎えます。

その60周年を迎えることを記念して、来年度は「逸翁美術館 開館60周年記念展」として、6つの展覧会を開催します。

所蔵している重要文化財や重要美術品を6つの展覧会に分けて展示します。どの展覧会も見逃せない展示ばかりですよ!

細かいイベントなどは決定しだいそれぞれお知らせするとして、今回は展覧会スケジュールをお知らせします!

第一幕 THE 書 ~数寄者が集めた古筆、お見せします~

会期 2017年4月8日(土)~5月28日(日)

流麗な筆致、工夫を凝らした料紙、古人の遺した美しい書の数々は、書の愛好者のみならず茶の湯の世界でも愛好されてきました。数寄者をも魅了した書の作品をご覧ください。

佐竹本三十六歌仙切
谷水帖 石山切
継色紙

第二幕 開け!絵巻

会期 2017年6月10日(土)~7月30日(日)

説話や物語の場面場面を、絵画にも表す絵巻。見進めるにつれ、作品の世界に知らず知らずの内に入り込んでしまいます。細やかに描かれた人物・場景・季節などが次から次へと現れ、私たちの眼を楽しませます。

この展示では、重要文化財に指定された経巻も併せて陳列し、巻物形式の作品の淵源を示すこととします。

 

大江山絵詞
芦引絵

第三幕 茶の湯道具始 -ようこそ収集家の世界へ!-

会期 2017年8月26日(土)~10月15日(日)

小林一三(逸翁)が収集した作品の中には、数多くの茶道具があります。茶の湯を愛した逸翁は、集めた様々な道具を用いて茶会を開き、多くの数寄者と交流しました。

その逸翁が集めた茶道具の中から道具始(どうぐはじめ)として、茶の湯の流れと道具をご紹介します。収集家(コレクター)の世界をご堪能ください。

豊臣秀吉画稿
黒樂茶碗 千鳥
長次郎作 赤樂茶碗銘「常盤」

第四幕 ひねもす蕪村 絵と俳句

会期 2017年10月28日(土)~12月17日(日)

松尾芭蕉を慕った与謝蕪村、そして蕪村を敬った呉春。俳句や絵画を通じて感興を深め合った彼らの交遊を、数々の作品から探訪します。さらに、多くの門人たちによって表される情趣のヴァリエーションからは、蕪村世界の広がりが感じられます。

句は画のごとく画は句のごとく、香り高い近世の俳人・画人たちの心の動きに触れてみてください。

奥の細道画巻
晩秋遊鹿図屏風(右)

第五幕 応挙は雪松、呉春は白梅

会期 2018年1月20日(土)~3月11日(日)

円山四条派コレクションとしては日本最大規模を誇る蔵品の中より、応挙の創始した円山派と呉春の創始した四条派、ともすれば1つとして語られがちな2つの流派。

それぞれ代表作を展示することにより同時代を駆け抜けた画家たちが織りなす華やかな京都画壇の魅力を紹介します。

雪中松図屏風(右)
白梅図屏風(右)

One more 未来につなぐ 和の意匠(デザイン)力

会期 2018年3月24日(土)~5月6日(日)

縄文・弥生、はるか昔に作られた物の姿や図柄に、現代の私たちもまた新鮮な印象を覚えます。それぞれの時代の日本人が生み出した文様や意匠は、歴史の中で繰り返し用いられ、様々な美術工芸品の上に形を変えて親しまれてきました。

本展では「平明」「遊楽」「静寂」の3つのテーマで作品を選び、未来につなぐ和の意匠(デザイン)力を示してみたいと思います。

花鳥蒔絵螺鈿洋櫃
三十三間堂通矢図屏風